比翼勇者のノー・モア・エクスカリバー 1 (オーバーラップ文庫)

遠月キョウジは、「勇者」である藍原コトネから「聖剣」を強奪し、力を我が物とする。力を得たキョウジは、「不正勇者」の汚名を背負ったまま、旧帝国から地球外生命体と戦う使命を得る。同じ部隊に監視役として配属されたコトネは、キョウジに好意的。強大な敵と戦いの中で、彼らは信頼を強め、共通の過去「シズク」を清算する。


くすぐりシーン:なし?


くすぐりシーンはないですが、キョウジが事故でコトネの胸に顔をうずめるラッキースケベ、コトネが「ひゃん!」「うひゃ」と、若干くすぐったがっているような言動を示すシーンがあります。

ヒロインのコトネの一人称は「ボク」。剣の腕が超一流。明朗快活で、しっかり自分を持っている。個人的にかなり好きなキャラです。
この子、改造手術を受けた強化人間という設定なので、「くすぐり手術室」シチュは自然と妄想できます。
あと、むちゃくちゃ強いボクっ娘の唯一の弱点が「くすぐり」なんていうシチュも膨らみます。
亡き妹ちゃんとの姉妹丼も美味しそうです。

さて本編。
オーバーラップ文庫は結構セオリー外しの「攻めた」作品が多い印象なので、毎回楽しみにしています。
読み始めて40分ぐらいは中心軌道がなかなか掴めず首を傾げていたのですが、第三章に入ってやりたいことがわかってきて、読み終わったころには納得できました。
結局のところテーマが、「英雄を否定する、英雄譚に非する物語」=「『ひとりの英雄に丸投げ』する社会体制の否定」=「英雄ではない者が英雄を特別扱いし羨む或いは妬むのではなく、来たるべき危機に全員が立ち上がり備えるべき」に帰結するようにできている。
だからこそ、「コトネの日常(特別扱いされる英雄)」→「コトネの活躍(英雄=バケモノ?)」→「コトネの活躍の否定(キョウジがコトネの活躍を、罪として被ろうとする)」→「2人で背負えば怖くない!」という構成になってるんですね。
「英雄」を背負うべきは、ひとりよりふたり。ふたりよりさんにん。さんにんよりみんな。というロジック。
キョウジの行動の源流になる「シズク」という過去を2人で乗り切ろうとするシーンは熱い。
読み終えればおもしろかったと感想を述べられるけれど、最初100pぐらい物語の推進力がなく、退屈に感じてしまったのは惜しい。「キョウジの意図は何か?」「シズクってなんだ?」という、本来物語を動かしにいくべきセントラルクエスチョンが、具体的な解決を求める登場人物不在のまま、放置状態で進行するせいだと思います。


満足度:★★★☆☆


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比翼勇者のノー・モア・エクスカリバー 1 (オーバーラップ文庫)